催眠状態で呼び覚まされる,別の時に別の場所で送った生活の思い出は,輪廻を証明しますか?
催眠状態になると,頭脳に蓄えられた多くの情報を呼び戻すことができます。
施術者は潜在意識下の記憶を引き出します。しかし,どのようにしてそのような事柄がそこで記憶されたのでしょうか。
恐らく本を読んだり,映画を見たり,あるいはテレビである人々のことを知ったりしたのかもしれません。
もし自分の学んでいる人々の立場に身を置いて考えたなら,その経験はまるで自分の経験でもあるかのように,鮮明な印象を残したことでしょう。
自分が実際にした事柄でも非常に遠い昔のことであれば,忘れてしまっているかもしれませんが,催眠状態に入ると,そのような経験があたかも“前世”のことを思い出してでもいるかのように呼び戻される場合があります。
しかし,もしそれが真実であるとしたら,すべての人がそういう記憶を持っているのではないでしょうか。
しかし,それはすべての人が持っているわけではありません。
催眠状態のもとでさせられた証言を受け付けない米国の州最高裁判所が増えていることは注目に値します。
同ミネソタ州最高裁判所は1980年に次のように言明しました。
「優れた専門家の証言が示唆するところによると,催眠術によって呼び覚まされた記憶,あるいは記憶の一部が本物か偽物か,あるいは作り話―幻想によって間げきを埋めたもの―かどうかは専門家でも断定できる人は一人もいない。その種の結果が正確かどうかは科学的にも信頼できない」。(州対マック,292 N・W・2d 764)
それを信頼できないものにしている一つの要素は,催眠状態にある人に施術者が与える暗示の影響です。
催眠状態で呼び覚まされる記憶は全てが事実とは限りません。
施術者の不用意な一言や、被験者の記憶の合成等で偽記憶が作り出されてしまいます。
このことから、輪廻や転生を証明することはできないと言っていいでしょう。
しかし、これは輪廻転生を否定するということではありません。
証明できない≠否定であり、否定できない≠証明です。
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